近くに住む親が、最近歩きにくくなったから外出を控えるようになったみたい。
お散歩が楽しみだったのに・・・


入所の○○さん、歩行での移動が厳しくなってきたな~。
△△さんは寝たきりだから床ずれにならないように対策しなくちゃ・・・。
福祉用具の使用といった対策で、身体状態を悪くさせない介護につながります。
今回は
- レンタルできる福祉用具
- レンタル料金
- 購入できる福祉用具
- レンタルと購入 どっちが得?
についてご紹介します。
レンタルできる福祉用具の種類
介護保険を使ってレンタルできる福祉用具は13種類あります。
- 歩行補助杖
- 歩行器・歩行車
- 手すり
- スロープ
- 車いす
- 車いす付属品
- 介護ベッド(特殊寝台)
- 特殊寝台付属品
- 床ずれ防止用具
- 体位変換器
- 電動リフト
- 認知症老人徘徊感知機器
- 自動排泄処理装置
歩きにくくなり外出を控えるようになった高齢者には
- 杖
- 歩行器
- 歩行車(シルバーカー)
歩行移動ができにくくなった方には
- 車いす
床ずれ(褥瘡)予防には
- 床ずれ防止用具
といった具合に、状態や介護度が変更になったときは福祉用具の検討が必要になります。
この13種類の福祉用具は、介護保険サービスの対象。
介護認定を受けている人はレンタル料原則1割負担で利用できます。
要支援1、2と要介護1でレンタルできる福祉用具
認定を受けているからと13種類すべてがレンタルできるわけではありません。
- 歩行補助杖
- 歩行器・歩行車
- 手すり
- スロープ
要支援1と2、要介護1の人はこの4種類の福祉用具がレンタルできます。
要介護2~5でレンタルできる福祉用具
要介護2~5の人は13種類すべての福祉用具がレンタルできます(13番の自動排泄処理装置のみ要介護4と5の方のみ)
- 歩行補助杖
- 歩行器・歩行車
- 手すり
- スロープ
- 車いす
- 車いす付属品
- 介護ベッド(特殊寝台)
- 特殊寝台付属品
- 床ずれ防止用具
- 体位変換器
- 電動リフト
- 認知症老人徘徊感知機器
- 自動排泄処理装置(要介護4、5のみ)
福祉用具のレンタル料金
どの福祉用具も介護認定を受けている人は原則1割負担でレンタルできます(収入によって2割、3割負担)
介護ベッドを例に見てみます。
| 購入 | レンタル | 自己負担 |
| 52万円(非課税) | 11,000円/月 | 1,100円/月(1割負担) |
杖ならレンタルしても自己負担額は月100円~程度

車いすや歩行器(車)も月500円前後の負担額です

介護保険を利用したレンタル料金
下記は、よく利用されている福祉用具とレンタル料の自己負担額。参考までに。
〈ダスキンヘルスレントより商品抜粋〉※自己負担額は1割負担で表示









これから介護保険の申請をする、まだ認定が下りていない、という方でもレンタル可能です。
介護保険の認定は申請日にさかのぼって有効となりますので、レンタル料金も申請日より適応されます。
利用開始日によってレンタル料金は変わる
レンタルはその月の15日までに納品されると、1ヶ月分の料金となります。
16日以降に納品されると半額支払い。
同じようにレンタルを解約する場合、
15日までに解約すると料金は半額の支払い。
16日以降の解約なら全額となります。
月の途中でA→Bの別の商品に変更する場合(例:15日)
15日にAを返却〈Aの半額料金を支払い〉、同じ日(15日)にBをレンタル〈Bの全額支払い〉
となります。
購入できる福祉用具
肌に直接触れる商品などは購入となります。
入浴や排泄に関連した商品です。
- シャワーチェアー
- 浴槽台
- ポータブルトイレ
- 杖
- シルバーカー
など。
施設でよく使用されるポータブルトイレで約3万円。家具調のポータブルトイレで約5万円です。
シャワーチェアーで3万円前後、車いすタイプのシャワーキャリーで約7万5千円です。
シルバーカーも3万円前後です。
レンタルと購入どっちが得? 福祉用具比較
介護保険では、福祉用具の購入に年間10万円まで給付されます。
購入の場合は、
- 自己負担で全額支払い
- 申請して9割(1割負担の場合)返ってくる
「償還払い」となります。
(同じ種目の商品の購入は原則1つだけ。また、利用限度額を超えたものは自己負担。)
介護保険を使っての住宅改修もこの「償還払い」となり、介護度に関係なくひとり20万円が給付。
- 浴室
- トイレ
- 段差の解消
など、「改修すれば使いやすくなる」「介助しやすくなる」という場所は(初めの手出しはかかりますが)、
給付金を活用して工事をするといいと思います。
「今は杖で歩いているけど、車いすになる可能性もあるよね」
「いずれ施設に入所しよう」
と考えている場合はレンタルで試して検討する方がいいでしょう。
介護ベッドなど、購入すると高額になる商品はレンタルの方がお得。

個人的には杖や車いすもレンタルを選ぶと思います。
状態が変わった時など、対応がしやすい気がしています。
杖
購入できる杖は、どこででも買えるような折り畳み式の商品です。

4点杖のレンタル例:レンタル料金は月額150円。×12ヵ月=1年で1,800円の負担。
同じ杖を5年間使うなら購入の方が安い。けれど、購入の杖より4点杖の方が安定感はある。

1年間レンタルして料金が1,800円なら、私は迷わず安定感のある4点杖を選びます

身体の状態にもよりますが、「外出時の杖」と考えて購入するなら、二本杖を選ぶかもしれません。

自立や要支援向きですね。
歩行車・歩行補助車(シルバーカー)
こちらも、購入とレンタルでは商品が違います。
購入商品でも3万円前後。
レンタル料金310円/月の歩行車×1年=3,720円。
5年使ってもトータル18,600円のレンタル料金です。

歩行状態が落ちたまま歩行車やシルバーカーを使うと、
スピードがでてしまう、などのリスクがでてきます。
身体状態の変化に合わせて、ブレーキや本体の安定性があるものに変更する可能性を考えると、
レンタルの方がいいかもしれません。
介助と福祉用具などについてのこちらの記事も参考にして下さい。
在宅介護でよく利用されている福祉用具
- スロープ
- 手すり
- ベッド用マット

送迎や訪問介護で伺ったご自宅では、車いすで移動しやすいように玄関にスロープがあったり、
玄関だけでなくお風呂場やトイレ、ベッドの横にも手すりが設置されていました。
体位変換器付のベッドマットを、レンタルでご利用されている方もいらっしゃいました。
〈ダスキンヘルスレントより商品抜粋〉※月のレンタル料金は1割負担で表示






介護ベッドをマットレスと一緒にレンタルしても、月々の利用料金は約2,000円程度。
車いすや手すり、スロープと在宅介護に必要な福祉用具をトータルでレンタルすることも可能。
介護保険が利用できるのは心強いと思いました。
まとめ
介護に福祉用具は必ず必要になります。
介護認定を受けていれば、自己負担額は原則1割。
よく使う杖や歩行車ならば小さな負担です。
購入とレンタル、どっちが得か?
選択の基準はそれぞれあると思います。
給付金を使って数年ごとに買い替える、という選択もあり。
購入する福祉用具や住宅改修なども介護保険の給付を使えるのは助かりますよね。

身体状態や介護度にもよりますが、私はまずはレンタルで検討すると思います。
介護保険の給付限度額を超えた分は、自己負担となります。
「予防」の視点からも、介護度が進まないよう福祉用具を活用しながら身体機能の低下防止に努めたいと思います。


