介護施設には人員不足の問題がよく聞かれます。
- 採用された職員がすぐに辞めてしまう
- 職員の入れ替わりが早い
など。
問題ありの施設もありますが、
介護職員として働く施設をしっかり選ぶべきか?
今回は
- 退職したい職員へ施設がとったNGな対応
- 介護職に向いている人の特徴
- 施設別の適正
などについてご紹介します。
介護施設の辞めたい理由 第1位「人間関係」
特養で一緒に働いていた介護士のUさん。

業務は煩雑だし、新しく入った職員とも合わなくてイライラするし…。
辞めたいよ~。
Uさんは責任感を持って仕事をする反面、人間関係では好き嫌いがはっきりしている人です。
数年働いた職場でしたが、退職を決意しました。
でも、施設の返事は
「人手が足りないので辞められると困る。年度末まで退職は待ってほしい」
とのことでした。
モヤモヤしたまま1カ月ほど勤務しましたが、
結局Uさんは体調不良を理由に休職しました。
辞めたい職員へ施設はどう対応するか?
辞めたいと言ったUさんへ、施設がとった最初の対応はNGです。
- Uさんの辞めたい理由、原因をしっかり聴いていない
- 施設の都合(辞めていい前提)で退職日の引き伸ばしを頼んだ
- Uさんの辛い状態をリーダー(他のユニット職員)と共有していない
- 問題点の改善・解決に努めていない
退職したい職員へ施設のケース別対応

一番NGなのは「施設の都合」で辞めさせないことです
「辞めたい」人を引き留めることはできません。
けれど、辞めたい理由をしっかり聴けば状況の改善は可能。
結果「残ってくれる」こともあります。
| 退職理由 | 施設側の改善策 |
|---|---|
| 仕事が忙しい | ・業務の見直し ・業務改善ソフトの導入 ・多職種(事務、リハビリ、看護)に一時的なヘルプを頼む ・有給休暇の積極的消化(あえて休んでもらう) ・新人の育成などはマニュアル化(全員でカバー) |
| 人間関係が悪い | ・適材適所の配置を見直す ・ストレスチェックの定期的実施 ・全職員からのヒヤリングで状況把握 ・上司やリーダーがしっかり話を聴く ・一方の意見だけで決めずに全体をみて判断 |
| 給料が低い | ・夜勤が負担でないなら夜勤を増やす提案 ・資格取得を勧める |
- 新卒や外国人介護士の場合は覚えるのに時間がかかる(本人のペースに合わせて指導)
- 相手に対して否定的な言葉や攻撃的な言葉で話さない
- 上司やリーダーが率先して環境を変える
- 新人や中途採用でも意見が言いやすい施設を目指す
介護職に向いてるタイプ

しっかりタイプ
- 法令遵守
- 個人情報の取り扱い
- 情報管理
大切な業務を安心して任せることができる人。
家族や病状についてなど
外部・他の利用者さんに漏れてはいけない情報がたくさんあります。
- カルテや看護サマリーなどを放置しない
- きちんと所定の場所に戻す
- 取り扱いには十分注意する
- 情報の共有は慎重に行う
などの管理ができ、指導も行える人。
・人の気持ちを察するのが上手
・冷静
・感情のコントロールもできる
ゆったりタイプ
- 穏やか
- 聞き上手
- いつも笑顔
その人がいると何だか周りがほっとする人。
- 話の上手い下手ではなく、その人と話すのは楽しい
- 前向きになるプラスの言葉をつかう
不安を抱えている高齢者
体調が優れない人も安心します。
・人の話を聞くのが好き
・「よかった」を探せる
・気持ちが明るい
介護職に向いてる6つの特徴
・しっかりタイプ
・ゆったりタイプ
2つのタイプの特徴をまとめると
- 冷静に状況判断ができる
- 感情のコントロールができる
- 空気や人の気持ちを察することができる
- 聞き上手
- プラス思考
- 相手に対して思いやりがある
6つの特徴を意識しながら自分自身を成長させたい
と思うことがポイントです。
冷静に状況判断ができる
- 仕事の優先順位
- 倫理観
- 個人情報などの管理が適切
これらができる人は
利用者さんや家族からも信頼してもらえます。
信頼されることは長所です。
そして、状況判断、素早い対応ができることは
利用者さんの急変時にも活きてきます。
感情のコントロールができる
アンガーマネジメント(怒りのコントロール)だけでなく、
利用者さんや同僚から傷つくことを言われても
考え方を変えるだけでとても楽になります。
- 私はこんなこと言わないけど、自分と人は違うんだ
- 傷ついたけど言った人も辛いのかも、嫌なことがあったのかも
- 言われたことをいつまでも考えないで、今、目の前の仕事に集中しよう
- 大丈夫、大丈夫!私のことを分かってくれる人もいる
など怒りや悲しみを引きずらず自分なりに解消していけることはその人の強みです。
そして、
怒りや悲しみを
- 誰かに言える
- 気持ちを聞いてくれる人がいる
- 辛いことを辛いと言える
これができるなら、「弱い人」ではありません。
空気や人の気持ちを察することができる
利用者さんは
- 高齢者
- 言いたいことを上手く言えない
人が多いのです。
- 不安を感じている
- 悲しみを抱えている
- さみしい
感情を察してあげるのが上手な人は介護の仕事に向いています。
自分と同じ考えの人はいない。
「こんな風に考える人もいる」
「こんな感じ方もある」
と相手を理解できればあなたの周りに人が集まります。
肩の力を抜いて仕事ができるようになります。
聞き上手
「聞き上手」の人はコミュニケーションスキルが高い人。
自分は話が下手だと思っていても心配いりません。
ちょっとしたコツでスキルアップはできます。
プラス思考
一日の中で、どんな小さなことでも
「よかった」と思えることを見つけられるプラス思考を目指す。
『思考が変われば運命が変わる』と言われている言葉があります。
思考に気をつけなさい。
それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから。
「マザーテレサの名言」
プラス思考で物事を考えることは、人生そのものを輝かせること。
相手に対して思いやりがある
その人、その時に適した言葉。
相手への配慮。
同じ意味でも
- 言い方や声のトーンを変える
- 相手のペースに合わせる
- 相手が喜ぶ言葉
- 安心を与える言葉
など使い分けができる人はどんな業種でも求められます。
介護サービス施設で見る適正
働きにくい施設であるなら、思い切って転職。
施設別の特徴を知り、あなたに合う職場を探してみましょう。
特別養護老人ホーム
特養は介護度が高い利用者さんが多いですが、
ユニット型を取りいれている施設が増えています。
・完全ユニットタイプ
・入浴介助は他のユニットも関わる
といった施設もあります。
介護度が高いだけに
知識や技術のスキルアップができます。
人間関係が原因で辞めたいと思ったときは
ユニットの移動で対処する方法もありです。
老人保健施設
在宅復帰を目的としている施設です。
- 看護師
- 理学療法士
- 作業療法士
との関わりもあります。
医療やリハビリの知識
復帰した後の日常生活に繋がる動作の勉強
になります。
地域との交流イベント
買い物やお花見など外出行事
なども定期的に行っています。
- 企画をすることが好きな人
- みんなで協力して達成感を実感したい人
に向いています。
デイサービス・デイケア
通所型なので送迎業務があります。
向いている人は
- レクリエーションなど運動やゲームが中心
- 盛り上げることが好き、得意
「月刊DAY」から
”レクのやり方の紹介”
グループホーム
認知症の方と一緒に生活するスタイルの施設です。
ゆったりした時間の過ごし方。
高齢者や認知症の方に
寄り添った介護がしたい方に向いています。
毎日色んな出来事があります。
訪問介護
老人ホームや自宅などに訪問してケアを行います。
- 1人で行うため慣れるまで不安
- 時間内にサービスを終わらせる
という心配はありますが、
1対1でケアを行いたい人に向いています。
まとめ
介護職に向いているタイプと特徴についてご紹介しました。
働く施設に合わない職員がいても
- 自分と同じ価値観ではない
- 私(あなた)が間違っているのではない
と考えて、同じ土俵にのらずにやり過ごしましょう。
とはいえ、
仕事によってはどうしても避けられないこともあります。
本音を話せる仲間がいてくれると心強いですね。

私も転職回数は多いですが、年齢が上がるごとに、働く年数が長くなるごとにすんなり施設に溶け込めます。
でも、6つの特徴だけは意識するようにしています。
介護施設の人間関係でストレスを感じたときは、
こちらの記事も参考に。
転職を考えたときは
「介護に特化した求人サイト」が効果的。
冒頭のUさんは、有休と公休を使って1カ月休職しました。
施設側が、休職の手続きを含めた対応をとっていない点は少し不誠実だと感じました。
- Uさんの休暇の期間は?
- 有休がなくなれば復帰するのか?
- 復帰しやすいように環境の改善や定期的なフォローの連絡など行っているのか?
- 労災になったりトラブルになったりしないよう適切な対応をしているのか?
- Uさんに「嫌な職場だ」と思われたままでいいのか?
- Uさんが結果的に退職になるとしても、気持ちよく「送り出して」あげるのか?
介護職は一般職から見ると特殊に見られることもありますが、
自分の性格や個性やキャラクターで仕事が楽しいと思える職種。
タイプを活かして色々な施設を経験してみて下さい。






