【ケアマネージャー】重要なアセスメントとモニタリング

ケアプランとモニタリングのアイキャッチ画像 介護全般
記事内に広告が含まれています。

michiイラスト

『かいごcope』を運営している、介護福祉士の〈michi〉です。

 

”cope”とは「問題に対処し切り抜ける」という意味

 

介護の現場経験トータル約26年現在も現役介護中
整体心理カウンセラーの資格も保有。

 

ケアマネを目指している人にみてほしい内容です。

介護福祉士の人はケアマネの資格を取ってキャリアアップしようと考える人もいると思います。

相談員をしている人は担当を持ってケアプランの評価モニタリングも行っていることでしょう。

そんな介護福祉士の人がケアマネの勉強をしようと考えたとき、どのようにケアプランができるか確認していきたいと思います。

今回の内容はこちら

  • アセスメントの重要性と手法
  • アセスメントの流れと項目
  • ケアプランとアセスメントについて
  • アセスメントとモニタリングについて

アセスメントとは「客観的に評価・査定する」こと

「事前評価」ともいいます

「ケアプラン」作成には必ず「アセスメント」が必要です。

認定を受けている人に介護保険を使ってサービスを提供するためにケアプラン作成を行います。

目的

高齢者のADL、QOLを向上させたい

生きる意欲を引き出したい

アセスメントで収集した情報から提供するサービスを設定

しっかりしたアセスメントをとれば「質の高いサービス」が提供できます

アセスメントのポイント

課題分析とは、利用者の有する日常生活上の能力や利用者が既に提供を受けている
指定居宅サービスや介護者の状況等の利用者を取り巻く環境等の評価を通じて利用者
が生活の質を維持・向上させていく上で生じている問題点を明らかにし、利用者が自
立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握するこ
であり、利用者の生活全般についてその状態を十分把握することが重要である。
なお、当該課題分析は、介護支援専門員の個人的な考え方や手法のみによって行わ
れてはならず、利用者の課題を客観的に抽出するための手法として合理的な物と認め
られる適切な方法を用いなければならないものであるが、この課題分析の方法につい
ては、別途通知するところによるものである。

厚生労働省「(主として介護支援専門員による)アセスメントについて」

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000180925_5.pdf 

アセスメントの具体的な3つのポイント

(1). 主治医や看護師、地域の包括センターなどからも情報を収集

→ どんな小さな情報も問題点の把握と提供するサービスのヒントになります

(2). 理学療法士や作業療法士などの専門職からもアドバイスをもらう

→ ADLやIADLを評価する際にリハビリなど専門職の意見は有益です

(3). 本人や家族の意向、気持ちを汲み取る

→ ニーズに基づいたサービスを提供しないと意味がありません

「アセスメントシート」に沿って情報収集し、分析を行います。

アセスメントシートは2つ

基本情報に関する項目」

課題分析に関する項目」

「基本情報に関する項目」

NO.標準項目名項目の主な内容(例)
1基本情報(受付、利用者等基本情報)利用者の氏名、性別、住所、電話番号など、利用者以外の家族等の基本情報
2生活状況利用者の現在の生活状況、生活歴等
3利用者の被保険者情報利用者の被保険者情報(介護保険、医療保険、生活保護、身体障害者手帳の有無等)
4現在利用しているサービスの状況介護保険給付の内外を問わず、利用者が現在受けているサービスの状況
5障害老人の日常生活自立度障害老人の日常生活自立度
6認知症である老人の日常生活自立度認知症である老人の日常生活自立度
7主訴利用者及びその家族の主訴や要望
8認定情報利用者の認定結果(要介護状態区分、審査会の意見、支給限度額等)
9課題分析(アセスメント)理由当該課題分析(アセスメント)の理由(初回、定期、退院退所時等)
出典:厚生労働省 「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」の一部改正等について
(介護保険最新情報Vol.958等の再周知)

「課題分析に関する項目」

NO.標準項目名項目の主な内容(例)
10健康状態利用者の健康状態(既往歴、主傷病、症状、痛み等)
11ADLADL(寝返り、起きあがり、移乗、歩行、着衣、入浴、排泄等)
12IADLIADL(調理、掃除、買物、金銭管理、服薬状況等)
13認知日常の意思決定を行うための認知能力の程度
14コミュニケーション能力意思の伝達、視力、聴力等のコミュニケーション
15社会との関わり社会との関わり(社会的活動への参加意欲、社会との関わりの変化、喪失感や孤独感等)
16排尿・排便失禁の状況、排尿排泄後の後始末、コントロール方法、頻度
17じょく瘡・皮膚の問題じょく瘡の程度、皮膚の清潔状況等
18口腔衛生歯・口腔内の状態や口腔衛生
19食事摂取食事摂取(栄養、食事回数、水分量等)
20問題行動問題行動(暴言暴行、徘徊、介護の抵抗、収集癖、火の不始末、不潔行為、異食行動等)
21介護力利用者の介護力(介護者の有無、介護者の介護意思、介護負担、主な介護者に関する情報等)
22居住環境住宅改修の必要性、危険個所等の現在の居住環境
23特別な状況特別な状況(虐待、ターミナルケア等)
出典:厚生労働省 「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」の一部改正等について
(介護保険最新情報Vol.958等の再周知)

(厚生労働省:「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」の一部改正等について)https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000908749.pdf

具体的な生活課題

ケアマネージャー(介護支援専門員)の仕事は「ケアマネジメント」であり、具体的な生活課題の相談を受けます。

  • 家族構成から(老々介護や独居)
  • 持病や疾病から(病気や麻痺でリハビリ、体調管理が必要)
  • 転倒してしまった、外出ができない
  • 腰痛で家事が困難
  • 子供が遠方にいる、会話など日常の変化がほしい

など。

利用者さんが生活に困っている問題点を明確にして解決策を考えます

アセスメントシートは、ケアプラン作成のために必要なので相談を受けた初回の面談時に記入します。

それ以外では利用者の方の状態変化認定の更新時や相談員を中心に介護事業所で作成した介護計画書の見直し時期にも必要です。

「基本情報に関する項目」の重要ポイント

基本情報に関する項目の中でポイントとなるもの3つ

生活状況

現在利用している介護サービスなどの状況

● 主訴(本人やご家族の希望、要望

●これまでの生活歴から現在の生活まで、キーポイントとなる事柄も時系列で記録すると分かりやすいです。

利用した事のあるサービスは全て聞きとることでサービスを変更したりケアの質が上がるケースもあります

●利用者本人であれご家族であれ、主訴は重要なポイントです。今後の支援の方針に大きく関わってきます。また、主張している内容は本人の希望なのかご家族なのかも明確にすべきです。

できるだけ「そのままの発言」で記載しておく方が分かりやすくおすすめです。

「課題分析に関する項目」の重要ポイント

課題分析に関する項目では、ADLをはじめとした身体・認知能力を評価します。

こちらも重要なポイントは押さえておきましょう。

●ADL(日常生活動作)の評価が「自立」「一部自立」「全介助」で評価できない場合は、備考欄に詳細を書き込む(「自立歩行だが歩行器使用」など)

●IADLも項目によっては「行っていない」「管理は家族」など補足が必要な

●認知・コミュニケーション能力は、本人だけでなくご家族やかかりつけ医から情報の聞き取りを行うのも重要

利用者さんの身体状態が変化したとき介護度が変わったときなど福祉用具を検討することがあります

ケアマネは福祉用具の事業者とも連携してサービスを提供します。

福祉用具の担当者さんとの情報交換もアセスメントでは大切になります。

過去現在未来の付箋

アセスメントとモニタリングの違いは「目的」

アセスメント:ケアプラン作成

モニタリング:サービスが適切か確認

大まかな流れ:

アセスメント→ケアプラン作成(ケアマネ)→介護計画書作成(各事業所)→実施→モニタリング

モニタリングは介護計画書で設定したサービス内容が適切に実施されているかを、少なくとも月に一度評価します。

繰り返し行う「現状把握作業」ともいえます

モニタリングは提供するサービスが適切に実施されているかの確認

そして実際に提供しているサービスが現実的な設定目標になっているかも確認。

日々サービスを提供している中で新たな問題点・課題はないかを確認。

介護士はケアをしている様子(サービス提供時)から本人の情報収集をしましょう。

モニタリングのやり方

本人が緊張しないように普段の会話でリラックスしてもらい、さりげなく聞き出すのがコツです。リハビリ訓練士からの評価も参考にします。

時々、提供しているサービスを否定したり不満を言う利用者さんもいますが、むきになって反論しないようにしましょう。

まずは「同調」

「同調」した後に「代替案の提案」をして本人の反応やサービスの見直しに繋げていきましょう

別の方法ならどうか?

補助道具を使ったらどうか?

など。

モニタリングの記入などは担当の受け持ちなどになっているでしょう。

けれど本来、ケアはチームで行うものです。

他の同僚職員や医師、看護師、リハビリ、包括支援などからできるだけたくさんの情報を集めてモニタリングします。

ケアプランそのものの見直しや修正が必要か「確認」をするのがモニタリング

どの情報にするか選ぶ人たち

「アセスメント」「ケアプラン」:主にケアマネージャーが作成

「モニタリング」:ケアプランが適切に実施されているか確認

私たち介護士は、担当者会議などで「アセスメント」にも「ケアプラン」にも関わってきます。

毎日している仕事はサービスでありケアです。

そのケアはただのルーティンになっていませんか?

利用者本人の自立支援に繋がるものか?

ケアをしながら「現状把握作業」のモニタリング。

  • そのケアを利用者さんは「喜んでいる」のか「嫌がっている」のか
  • ケアプランにあげるべきか省くべきか判断
  • そのケアは「自立支援」に役立っているのか妨げているのか

その視点でケアを行えば発見やアイデアが出てくると思います。

ひいては「質の高いサービス」の提供に繋がります。

サービスやケアがただのルーティンにならないよう「質の高いサービス」を提供するには「初心に帰る」ことも大切です。

福祉・介護ランキング
福祉・介護ランキング にほんブログ村 介護ブログ 高齢者福祉・介護へ
にほんブログ村
タイトルとURLをコピーしました