高齢者施設の介護はアセスメントでケアの質の向上!「基本三原則」は心得

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初めて勤めた病院で、無資格の私に先輩ナースが言ってくれたこと。

「この仕事は”知識・経験・気持ち(思いやり)”だよ」と。

高齢者介護の基本は気持ちや心構えだといえます。

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心身の障害が原因で自分だけでは日常生活動作が困難な人に、お世話や支援を行うこと

第七条 この法律において「要介護状態」とは、身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、厚生労働省令で定める期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(以下「要介護状態区分」という。)のいずれかに該当するもの(要支援状態に該当するものを除く。)をいう。

介護保険法(平成九年法律第百二十三号)

(引用)e-Gov法令検索

法律ではこのように定められています。

介護の基本原則

「高齢者福祉三原則」が介護の基本と言えます。

世界一の福祉国家デンマークで提唱された「高齢者福祉三原則」

1.生活の継続性

 出来る限り在宅でそれまでと変わらない暮らしができるよう配慮する

2.自己決定の原則

 高齢者自身が生き方・暮らし方を自分で決定し、周囲はその選択を尊重する

3.残存能力の活用

 本人ができることまで手助けするのは能力低下を招くから、やってはいけない

出来る限り環境を変えず、決定権は本人にあり、できることはやってもらう

個別の介護とは

その人を理解するために「アセスメント」が大切です。

アセスメント:客観的に評価・査定する

現在の状況、主訴を把握

→ 問題の原因背景を明らかにする

→ 課題(改善要素)を分析

→ 本人の考え意向生活歴から利用者本人に「何ができるか」を考える

→ 実現可能な目標をたてる(生活ニーズを明確にする)

→ 「○○がしたい、○○ができるようになりたい」という意欲を引き出す

→ それに対して支援、介護する

アセスメント⇒その人に合った介護を行う

介護支援専門員の基本姿勢10か条」(「平成23年度愛知県介護支援専門員支援会議」)

高齢者介護の基本5つのポイント・コツ

高齢者とは65歳以上の人(法令の定義)

しかし「65歳以上(高齢者)だから介護が必要」という根拠は全くありません

介護が必要な高齢者とは、年齢ではなく「何らかの原因で日常生活に支障がある人」です。

介護の基本

  1. 安心感を与える
  2. 信頼関係を築く
  3. 尊厳を守り敬う
  4. ケガや事故のリスクを考える(力を入れすぎない)
  5. 思いやりをもつ

1.「安心感を与える

2.「信頼関係を築く

【ポイント/コツ】

聞こえる程度のボリュームの声(大きな声はNG)

ゆっくり穏やかに話す

肩や腕などに優しく手を添える

笑顔(大事!)

事前に情報収集 その人の好きなことや性格など簡単に把握しておく

あなたの事を理解していますよ

もっと知りたい

という思いが伝わるように

3.「尊厳を守る

プライドとプライバシーを侵害しない

4.ケガや事故のリスク

事故(内出血や皮膚剝離、骨折など)繋がるリスクは高齢者ほど増加します。

身体に直接触れるケアをするときは力の入れすぎには注意しましょう

5.思いやりをもつ

どんな態度が「思いやりのある行動」なのか、正解は1つではない

ポイント/コツ

その人が困っていることを手助けする(できない事、したい事)

その人が嫌だと思っていることを改善する(周囲の環境も含めて)

・相手のことを知ろうと思う気持ちをもつ

「私に手伝えることはありませんか?」と伝える

「思いやり」は押しつけるものではない

介護者が傷ついたとき

ケアをしていると嫌なこともあります

  • よかれと思ってしたのに、その人にとっては嫌だった(受け止め方の違い
  • 理不尽な態度をされたり怒られたりした(その人の人間性
  • カスタマーハラスメント(逆差別・社会問題

〈傷ついたときの対処法〉

  • 一人で溜めこまない
  • 誰かに代わってもらう
  • 気持ちを切り替える

人間は自分の思うようにしか「人(あなた)」を評価しません

と思って、日々の経験を糧に成長していきましょう!

介護にはよく使われる2種類があります。

「介護」

「介助」

「身体介護」

「生活援助(家事援助)」

介護:「身体介護」など介護の仕事を分類するときに使う

介助: 身体介護を行う「具体的な手段」として使う(6種類)

具体的な介助は6種類

  1. 入浴介助
  2. 排泄介助
  3. 食事介助
  4. 歩行介助
  5. 移動・移乗介助
  6. 更衣介助

介助とは「起居動作」の手伝い

介助の基本

  • 介助を行う前は「安全を確認する」(周辺も)
  • 介助前には必ず「声掛け」「同意」
  • 残存機能を妨げないように「手を出しすぎない」
  • 「面」で触れ「下から」支える
  • 「身体の動き」を考えて行う
  • 「利用者本人が主体」

基本的視点で行うポイント3つ

介護が必要な利用者は「心身、機能に障害がある」という前提

ポイント/コツ

笑顔で接する

挨拶(声掛け)で気持ちをほぐす

丁寧語で話しても親しみやすさは伝わる

介護が必要な人は「いつも不安を感じている」と意識しておく

まずは「寄り添う」ことから!

介護を必要とする側(利用者本人)の視点から介護技術を学ぶ一冊

本人の視点に基づく介護技術ハンドブック [ 上原千寿子 ]

4つの本人視点(本人主体、本人の安心、本人の生活習慣、本人の意欲)

  • 「その人が人間らしい生活を営める」手伝いを行うこと
  • 心が穏やかでいられる時間を過ごす」手伝いを行うこと

ADL(日常生活動作)の低下防止

QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上

身体の基本動作

「起居動作」

「移動・移乗動作」

  • 寝返り
  • 起き上がり
  • 座位
  • 立ち上がり
  • 車椅子やベッド、トイレへの移乗動作
  • 歩行や車椅子操作などの移動動作

スキルを上げていきたい介助技術です。

基本動作(「起居動作」と「移動・移乗動作」)を知ることはリハビリにも繋がります。

身体がどのように動くかを理解することは

残存機能を維持するため

介助者の負担軽減のため

に役立ちます。

介護が必要な人とは「何らかの原因で日常生活に支障がある人」

その人の現状から課題を分析し、実現可能な目標を立てる

5つの心構え

6種類の介助

も覚えておきたいですね。

介護が必要な人は不安を感じていることが多く、

まずは寄り添ってあげることが一番です。

身体の基本動作は2つ

「起居動作」

「移動・移乗動作」

その基本を知ることはリハビリに繋がると同時に、私たち介助者の負担軽減にも役立ちます。

介護は「誰か」のためにできるやりがいのあるいい仕事だと実感しています

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