高齢者の歩行能力が低下する原因はいくつかあります。
- 筋力の低下
- 関節の柔軟性の低下
- バランス能力の低下
- 神経系の機能が低下(脳卒中などが原因)
他にも、
ひざや腰の疾病
運動不足や偏った食生活などの生活習慣
視力や聴力の低下も歩行時の安全性を妨げる要因となります。
歩行能力が低下することは、
転倒のリスクが高まり、寝たきり状態になる可能性も出てきます。
そんな中で「歩くこと」は、もっとも手軽で効果的なリハビリ。
歩くことや簡単なストレッチ、
食生活を見直すことは
筋力低下や骨粗しょう症の予防につながり、
歩行能力の低下を防ぐ対策となります。
この記事では、
高齢者にとっての歩行リハビリの効果や方法、
注意点についてわかりやすく解説します。
なぜ「歩くこと」がリハビリになるのか?
歩くことは単なるカロリー消費ではありません。
特に、屋外を歩くという適度な運動は
- ストレス解消
- 精神的な安定
- 社会参加への意欲
なども期待できます。
また、身体機能と認知機能の両面でも良い影響があります。
- 下肢の筋力維持:太ももやふくらはぎなど、日常生活に必要な筋肉が使われます
- 心肺機能の改善:ゆったりとした歩行でも心拍数が上がり、全身の血流がよくなります
- バランス能力の向上:姿勢を保つことで体幹やバランス感覚が養われ、転倒予防にも効果的
- 脳への刺激:周囲の景色や音などの刺激を受け、認知機能の維持にもつながります
歩行リハビリの正しい方法
ただ歩くだけではなく、以下のポイントを意識するとより効果的です。
- 姿勢を正す:背筋を伸ばし、目線はやや遠くを見るように
- 足の運びを意識:かかとから着地し、つま先で蹴り出すように
- 一定のリズムで歩く:呼吸を整え、リズムよく歩くことで疲れにくくなります
- 無理をしない:最初は5分、10分からでもOK
- 靴選びが重要:かかとがしっかり固定され、滑りにくい靴を選びます

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屋内・屋外で変える歩行リハビリ
「散歩」をリハビリのための歩行、と考えると
天気の良くない日は行えません。
屋外を歩けないときは、家の中でもリハビリを兼ねた歩行が可能です。
〈屋内での歩行リハビリのポイント〉
- 廊下や室内をゆっくり往復
- 手すりや杖、歩行器を活用
- 段差や滑りやすい場所には注意
〈屋外での歩行リハビリのポイント〉
- 天気の良い日には近所を散歩
- 公園やスーパーまで、など短距離でも十分
- 景色が変わることが気分転換にもつながる
どちらにしても、
「歩いている」と意識して足を動かすことが大切です。
歩行リハビリの注意点
「散歩」を日常生活の運動ととらえて行うことも、
脳への刺激やリラックス効果が得られるのでおすすめです。
気分転換や適度な運動になることももちろんです。
ただ、筋力アップや身体機能の維持・向上を目的とした歩行の場合、
「リハビリをしている」という意識もとても重要です。
姿勢を正して、しっかり足を上げて歩くことが前提。
とはいえ、注意点も覚えておきましょう。
- 無理をしない:体調が悪い日や、関節痛が強い日は休む勇気も必要
- 水分補給を忘れずに:夏場や屋外では脱水予防が大切
- 転倒防止対策:杖やシルバーカーの使用をためらわず、安全を最優先に
- 医師や理学療法士の助言を受ける:持病のある方は、事前に専門家に相談を
歩行リハビリを習慣にするコツ
下肢筋力の低下防止、身体機能の維持・向上のために
「歩く」ことをぜひ日常生活に取り入れてほしいと思います。
そのためのちょっとしたコツはこちら。
- 毎日決まった時間に歩く(習慣化する)
- 歩いた時間や距離を記録(モチベーションアップ)
- 家族や介護者が一緒に歩く(継続しやすい)
- 音楽やラジオを聴きながら歩く(テンポよくできる)
ほかにも、
「いつものパン屋さんまで」
「近くの公園まで行って水分補給をする」
など、自分が楽しんで実践できる口実を作るのもおすすめです。
まとめ
歩行は、手軽にできるもっとも身近なリハビリ方法です。
正しい方法で安全に続けることは
- 筋力・バランス感覚
- 身体機能の維持
- 認知機能
など多方面に良い影響を与えます。
屋外に限定せず、屋内で行うことでも効果を得られるので
楽しく継続できる方法を見つけましょう。
日々の生活に無理なく取り入れて、元気な体づくりを実践していきましょう。



