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【認知症ケア】怒りっぽくなる?アルツハイマー型認知症に多い「脳の感情機能の高まり」怒りの裏側にあるもの

「最近、急に怒りっぽくなった……」

「前は穏やかだったのに、ちょっとしたことで大声を出すようになってショック……」

家族がアルツハイマー型認知症になり、どのように介護していいか不安でとまどう方もいます。

もちろん、介護施設での認知症の方のケアも大変です。

しかし、近年の脳科学や認知症研究は進み、「認知症の人は怒りっぽくなったのではなく、むしろ感情の感度が鋭くなったのだ」という点が注目されています。

脳の「海馬」と「扁桃体」の仕組みを知ることで認知症の方が感情的になる理由が分かり、

認知症であっても「その人を理解する」ことにつながります。

明日から試せる、向き合い方のヒントも分かりやすく解説します。

認知症で起きている「脳のシーソー現象」とは?

なぜ認知症になると感情がストレートに出てしまうのか。

原因は、脳の奥深くにある「海馬(かいば)」と「扁桃体(へんとうたい)」が関係しています。

  • 海馬(かいば): 「記憶」や「状況の論理的な理解」を司る
  • 扁桃体(へんとうたい): 「不安・恐怖・怒り・快/不快」などの感情を司る

私たちの脳は、海馬が「大丈夫だ」「安全な場所だ」と論理的に理解することで、感情を司る扁桃体にブレーキをかけています。

シーソーのようにバランスをとっている、ということなのです。

しかし、アルツハイマー型認知症が進行すると海馬の機能が先に低下していき、

その結果、海馬のブレーキではなく、感情を司る「扁桃体」の役割が優位になってしまうのです。

ここでのポイントは、

認知症になっても「感情を感じとる」という脳の機能は最後までしっかり残っている、ということです。

「感情の機能が高まっている」、と言いかえることもできます。

なぜ「感情伝染」が強く起きてしまうのか?

感情機能が高まっている(敏感になっている)認知症の方は、周囲の「空気感」や「感情」を、まるでスポンジのように吸いとるのです。

これが「感情伝染(かんじょうでんせん)」です。

海馬の領域である、論理的な理解や言葉の意味の理解がむずかしくなる認知症。

認知症の方は、「なぜ怒られているのか」「相手が何を話しているのか」ということより、

非言語(ノンバーバル)なサインをキャッチします。

非言語(ノンバーバル)なサインとは、

  • 焦ったような「声のトーン」
  • イライラした「目つきや表情」
  • 雑な「ものの扱い方」や「立ち振る舞い」

「早くして!」と言う強い口調、「また言ってる」とイヤそうな表情、・・・

そのピリピリした空気を、認知症の方は「怖い」という恐怖として受けとめてしまうのです。

つまり、職員側からすると「問題行動」に見える怒りでも、

本人からすると、こちら側から発せられた感情によって伝染した不安や恐怖から身を守ろうとする、いわば防衛本能で怒っているともいえます。

明日から使える!感情の過敏さに寄り添う3つのケア

アルツハイマー型認知症が進行した脳の仕組みが分かると、私たちの接し方もどう変えるといいか、ヒントが見えてきます。

  • 記憶や理解といった役割を担う海馬の機能が低下してくる
  • 不安や怒り、恐怖といった感情を司る偏桃体の働きが優位になる

問題行動を起こすのではなく、扁桃体が過敏になり、感情伝染してしまうのだ、と認識しましょう。

海馬の機能が弱まっているため、「さっき言ったでしょ」「これはこうだから」という論理的な説明を変えましょう。

相手の脳には届きにくく、かえって困惑させてしまいます。

まずは、やはり「共感」でしょう。

扁桃体は感情が過敏になっているので、言葉の内容よりも「声のトーン」や「表情」に反応します。

  • ゆっくり、低めのやわらかい声で話す
  • 広めの視野に入る位置から、笑顔でアプローチする
  • 急な動作を避け、穏やかに動く

これだけで、相手の扁桃体は「この人は安全だ」と認識し、スッと落ち着くことがあります。

感情伝染は、ネガティブな感情だけに起きるわけではありません。

「笑顔」はどんな時でも最強の武器です。

こちらがニコニコしてリラックスしていれば、「安心感」や「楽しさ」もそのまま相手に伝染します。

まとめ

感情のアンテナが鋭いからこそ、こちらの気持ちが伝わり、「行動」となる。

相手に伝わるのが同じであれば、「恐怖・不安」より「安心」を伝染させたいものですよね。

認知症によって記憶や理性が薄れていっても、「嬉しい」「悲しい」「怖い」「心地よい」と感じる心(感情)は、ずっと生き続けています

「認知症になったから怒りっぽくなった」のではなく、

「感情のアンテナが敏感になり、自分の世界を守ろうとしている」ととらえてみましょう。

イライラや不安を感じたときは、まずこちらが深呼吸をして、笑顔で「大丈夫ですよ」という安心の雰囲気を伝えてあげる。

これだけで、かなり楽になることも多いと思います。

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