加齢とともに、
体が動かしにくくなったり、痛みがでたり、
身体機能が衰えてくるのを実感しませんか?
私の父も、後期高齢者となり
- 歩くとフラつくことが増えた
- 家の中にいることが多く、体力が落ちた気がする
- 手足がこわばって動きがにぶくなった
と話すようになりました。
こうしたことが原因となり、
転倒や寝たきりのリスクにつながることもあります。
「この年でジムに行って”体を鍛える”ことはしたくないし」
と話す父に、
身体機能の低下を予防するために
「自宅で簡単にできる体操」をすすめました。
日々の生活にちょっとした体操を取り入れるだけで、
筋力や柔軟性を保ち、健康を維持することができます。
この記事では、
高齢者が無理なく自宅でできる簡単なリハビリ体操5選をご紹介します。
すべて椅子に座ったままでOK!
介護の現場やご家庭でもすぐに実践できます!
高齢者がリハビリ体操をした方がいい理由
加齢により、
筋肉の量は減り
関節の可動域も狭くなり
バランス感覚も少しずつ衰えていきます。
体を動かしにくくなると、外出する機会も減り運動不足につながります。
- 足腰の筋力低下
- 転倒による骨折・寝たきり
- 関節のこわばり・痛み
- 気分の落ち込みや認知機能の低下
家に閉じこもることが多くなり、意欲まで低下してしまいます。
身体機能の衰え→外出を控える→運動不足・意欲の低下→さらなる機能の低下…
このような悪循環を防ぐために、
日常生活にリハビリ体操を取りいれること、おすすめです。
高齢者におすすめのリハビリ体操5選
今回ご紹介するのは、
一日5分(一回ではなく、一日)で
簡単にできるから続けやすい。
どの体操も椅子に座ったままできます。
食事の前後にワンセット(数分で終了)、など時間を決めて
ルーティン化すると継続しやすいです。
無理のない範囲で、気持ちよく体を動かしましょう。
足踏み体操(太もも・股関節強化)
〈方法〉
椅子に浅く座り、背筋を伸ばします。
左右交互に足をゆっくり持ち上げ、10~20回行います。
ひじおきがあれば、腕をのせたりつかんで行ってもOK。


〈効果〉
・下半身の筋力アップ
・血流促進
・転倒予防
〈ポイント〉
・太ももを高く上げる意識で(痛みがあれば無理はしない)
・呼吸を止めずに行う
肩回し体操(肩の柔軟性向上)
〈方法〉
肩に手を置き、ひじで大きく円を描くように前回し・後ろ回しを各10回。


〈効果〉
・肩こり予防
・肩の可動域アップ
・血流改善
〈ポイント〉
・ゆっくり回す
・痛みがある場合は無理をしない
つま先・かかと上げ(ふくらはぎ・血流改善)
〈方法〉
椅子に座ったまま、つま先とかかとを交互に上げます(各10回)。

〈効果〉
・ふくらはぎの筋力強化
・血流改善(むくみ予防)
・転倒予防
〈ポイント〉
・足首の動きを意識
・リズミカルに行うと効果的
指のグーパー運動(脳活+握力向上)
〈方法〉
両手をぎゅっと握って「グー」、大きく開いて「パー」、ゆっくり10回繰り返します。

〈効果〉
・指先の血流改善
・握力維持
・脳の活性化(簡単な脳トレにも)
〈ポイント〉
・できるだけ力をいれる
・指先に意識を集中
上体ひねり(体幹・腰まわり)
〈方法〉
椅子に座り、両手を胸の前でクロス。
息を吐きながらゆっくり上体を左右にひねる(各5~10回)。


〈効果〉
・腰まわりの柔軟性アップ
・便秘・姿勢改善
・体幹を鍛える
〈ポイント〉
・背中を丸めず、ゆっくり呼吸を意識して
・無理にねじらない
深呼吸ストレッチ(リラックス効果)
〈方法〉
両手を大きく横に広げ、胸を開く。
鼻から息を吸い、口からゆっくり吐く。3回繰り返す。

〈効果〉
・呼吸機能の改善
・リラックス効果
〈ポイント〉
・ゆっくりと呼吸を意識
痛みには早めに対処
関節痛など、体に痛みを感じ始めたら早めに対処することをおすすめします。
痛みへの早めの対処が重要な理由は5つあります。
- 症状を悪化させない
- 慢性化を防ぐ
- 筋力低下を防ぐ
- 転倒リスクの減少
- 生活の質の維持
関節痛を「年のせい」といって放置すると炎症や変形が進みます。
そうなると、動かせる範囲が狭くなってしまうのです。
変形性関節症などは早めに対処すれば進行を遅らせられますが、
放置すると手術という選択肢しか残らなくなる場合も。
また、痛みが慢性化すると治療期間も長くなり、生活に支障をきたしてしまいます。
そして、どこかに痛みがでるとその部分をかばってしまいます。
動かさないと筋肉や靭帯が弱くなり、さらに関節への負担が増えてしまうのです。
高齢者は、関節の負担だけでなく筋力低下も進んでしまいます。
下半身の関節痛では、歩行が不安定になることもあり、転倒リスクを高めます。
骨折や寝たきりにならないためにも、転倒予防は大切です。
早めに痛みをコントロールできれば、日常生活は変わらず行えます。
生活の質を落とさないためにも、痛みには早めの対処が重要といえます。
関節痛については、こちらの記事も参考にしてください。
体操を習慣化! 1日5分から始めよう
一度にすべてのメニューを行ってもいいのですが、
時間帯とメニューを分け、一回2分程度で終わるようにすれば
負担なく取り組めると思います。
朝・・・足踏み体操・つま先/かかと上げ(約2分)
昼・・・肩回し・指のグーパー運動(約1分半)
夕・・・上体ひねり・深呼吸ストレッチ(約1分半)
- タイミングを決めておくと続けやすい
- 体操記録表にチェックをつけ見える化

体操記録表はこちらからダウンロードできます

リハビリ体操のPDFはこちらからダウンロードできます
まとめ|毎日の体操で、健康寿命をのばしましょう
体操やストレッチは「しなくてはいけない」と思っていても、
続けるのが大変。
簡単で2分程度で終わる、しかも座ってできるのであれば
食事の前などにパパっとやれるのではないでしょうか。
チェック表などを活用することでやる気もでてきます。
高齢者にとってのリハビリ体操は、
体を動かすだけでなく心と脳の活性化にもつながります。
今日から1つだけでも始めてみませんか。
健康寿命を延ばす第一歩です。
〈リハビリ体操を始める前のポイント〉
- 医師や理学療法士に相談して、安全にできる動きを確認する
- 痛みや違和感が出たら無理をせず中止する
- ゆっくりとした動作で、呼吸を止めずに行う
- 体操の前後に軽く体を動かし、体を温める
もっと頑張りたい方は
転倒・腰痛予防!「いきいき健康体操」(厚生労働省)
こちらもできる範囲で試してみてください。



