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トイレ介助 9つの工程に分けて考える|在宅でもできる観察のコツ

在宅でも施設でも、トイレ介助ってけっこう大変です。

  • 回数が増えてきた
  • 何度も呼ばれる
  • 失敗ばかり
  • 転倒がこわいので全介助

残存機能を維持するためにも、できることまで手を出したくない。

介助する側もされる側も、

トイレの動作を分解して考えると、負担が少し軽くなります。

トイレ動作を分解

トイレ介助にかかる排泄動作は、実はいくつかの工程でできています。

  • どの工程に時間がかかるのか
  • どこでつまずいているのか

それを見極めることで、必要な介助量が見えてきます。

ここでは、とくに在宅介護で観察してほしいポイントを見ていきます。

まずはじめに、

「行きたい」と気づけるかどうか。

観察ポイント

  • 尿意・便意を言葉やしぐさで伝えられるか
  • トイレの場所がわかっているか
  • ガマンできる時間はどのくらいか

認知機能が低下してくると、からだは動いても

「行きたい」という判断・理解ができにくくなります。

失禁や失敗が増えてきた場合、

身体機能の低下だけでなく認識の部分でつまずいていないか、観察してみましょう。

次に、

安全にトイレまでたどり着けるか

観察ポイント

  • 歩行のふらつきはないか
  • 夜間でも足元が見えているか
  • トイレまでの動線は安全か(物がおかれていないか)

在宅では、この生活環境によって事故が起こる原因にもつながります。

特に夜間は、

  • 暗い
  • 眠気がある
  • 急いでいる

という条件が重なり、転倒リスクが高まります。

まずは環境を整える視点も大切です。

ここは、施設でも転倒が多い、要注意ポイントです。

トイレ前で体の向きを変える動作は、想像以上にバランス能力を使います。

観察ポイント

  • こきざみ歩行になっていないか
  • 足がもつれていないか
  • 手すりをうまく使えているか

「歩けるから大丈夫」と思っていても、

方向転換は不安定になりやすいのが特徴。

  • 手すりの位置調整
  • 立ち位置の誘導

これだけでも安全性が大きく変わります。

見落とされやすい、でも失敗が起きやすい工程。

観察ポイント

  • 片手で衣類操作ができるか
  • 立位バランスが保てているか
  • 焦って動作が速くなっていないか

ズボン操作中は、

  • 片手動作になる
  • 下を向く
  • 早く下ろそうとする

不安定になる要素が重なります。

「ここだけ少し手伝う」といった部分介助が最も効果的。

    かんたんに思えますが、ヒヤリが多いポイントです。

    観察ポイント

    • 便座の位置を目で確認できているか
    • ドスンと座っていないか
    • 便座の高さは合っているか

    勢いよく座る「ドスン座り」は、

    • 痛み
    • 恐怖心
    • バランスを崩す原因

    にもなります。

    必要に応じて、

    • 便座の高さ調整
    • 手すりの追加

    など、環境面の見直しも検討してみましょう。

    ここは比較的安定している方も多い工程です。

    観察ポイント

    • 座位保持ができるか
    • いきみが強すぎないか
    • 不安や落ち着かなさはないか

    排泄中に

    • 前かがみになりすぎる
    • 体が傾いたりする

    こうなると転倒リスクがでてきます。

    姿勢保持のサポートが必要。

    いきみが強すぎることも、

    • 肛門周囲のトラブル
    • 急激な血圧上昇

    体に多くのリスクが生じてしまいます。

    また、焦りや不安が強いと失敗につながることもあります。

    安心できる声かけも、大切な支援の一つです。

    意外かもしれませんが、在宅介護で悩みが多い工程の一つです。

    観察ポイント

    • 手が後ろまで回るか
    • きれいに拭けているか
    • 疲労やあきらめた様子はないか

    うでや肩の可動域、体幹の柔軟性が低下すると、

    この動作が急にできなくなる方も、少なくありません。

    全部介助をしてあげる前に、

    • できる範囲の見守り
    • 一部介助

    少しずつ手をかしてあげましょう。

    ここも転倒が起きやすい重要ポイントです。

    観察ポイント

    • 前傾姿勢が取れているか
    • 手すりを使えているか
    • 立ち上がり後にふらつかないか

    立ち上がりは、

    • 下肢筋力
    • バランス

    両方が必要になります。

    特に注意したいのは、立った直後。

    直後の一歩目がふらつく場合は、

    「立てた=安全」ではない

    という点に気をつけましょう。

    最後まで、油断は禁物。

    観察ポイント

    • 蛇口操作ができるか
    • 歩行が不安定になっていないか
    • ホッとして気がゆるんでいないか

    最後まで安全に終えられているかも大切な視点です。

    排泄が終わると、本人も介助者もホッとします。

    退出時の転倒も少なくないので、

    最後まで見守る意識が安全につながります。

    まとめ

    ここまで、トイレ動作を9つに分けてみてきました。

    普段は、

    「トイレに行く」

    というひとつの行動に思えますが、実は、いくつもの動きが重なって成り立っています。

    介護をしていると、つい

    「トイレができる・できない」

    という大きな見方をしてしまいがちです。

    実際には、

    できなくなったのは全部ではなく、その中の一部だけ

    といいうこともあるのです。

    たとえば、

    • 歩けるけど、ズボンの上げ下げが難しい
    • 便座には座れるけど、立ち上がりが不安定
    • トイレの場所が分からなくなっている

    そんな風に、

    どこでつまずいているのか、が見えてくると、

    必要な介助も変わってきます。

    全部を手伝うのではなく、

    できない部分だけを支える

    それだけでも、転倒リスクを減らしながら

    本人の「できる力」を残すことにつながります。

    トイレ介助は、在宅介護の中でも特に大変な場面のひとつです。

    毎日のことだから、介助者の負担も少なくないのです。

    「全部してあげなくては」と思いつめないで、

    少しだけ視点を変えてみる。

    日々の介護を少しでも楽にできれば、お互いに笑顔が生まれます。

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