今回は、高齢者向けの映画をご紹介します。
ご自宅や介護施設での映画鑑賞にピッタリの
「高齢者向け映画」を、
個人的に15作品セレクトしました。
私の母が70歳くらいのときに
一緒に観た映画もいくつかあります。
映画館ではなく、
自宅で配信サービスを使って観たのですが、
母はとても感動していました。
ジャンル別でご紹介しますので、
ご自宅や施設で映画鑑賞をするときの
作品選びの参考になれば幸いです。
映画を観て感動する効果
映画はただの娯楽や時間つぶしではありません。
- 笑い
- 涙
- 懐かしさ
- 共感
一日の中で
「感動」が少なくなってくる高齢者にとって、
映画を観ることは
があると言われています。
「昔を思い出してもらいたい」
「笑顔になってほしい」
「家族で一緒に楽しみたい」
家族が高齢になると、一緒に過ごす時間もだんだん少なくなっていきます。

「映画」というツールを使って、家族で楽しみたい。
そんな願いが叶うように、お気に入りの1本になる映画を見つけてください。
映画を選ぶときのポイント
Netflix(ネットフリックス)やAmazonのプライムビデオ、
その他の動画配信サービスに加入すればスマートフォンや自宅のテレビで
好きな時間に映画やドラマを観ることができます。
字幕を表示できる設定があると、高齢者にも便利です。
音を高くしないと聞こえにくい場合は、
スピーカーなどを活用することでみんなと一緒でも快適。
おすすめ↓

おすすめの映画15選【ジャンル別紹介】
①「感動する映画・ヒューマンドラマ系」
②「コメディ・ほっこり系」
③「懐かしさを感じる映画」
④「介護を考える映画」
⑤「海外の映画」
の5つのジャンルに分けてご紹介します。
「感動する映画・ヒューマンドラマ系」
1.「おくりびと」
2008年公開。130分。
- 出演者: 本木雅弘、広末涼子、山崎努
- あらすじ: 亡くなった人を送る“納棺師”の物語。人の生と死を丁寧に描く感動作。
- おすすめ理由: 命の尊さや家族との別れを優しく描き、高齢者にも共感を呼ぶ。アカデミー賞で、日本映画史上初となる外国語映画賞を受賞。
2.「明日への遺言」
2008年公開。110分。
- 出演者: 藤田まこと、ロバート・レッサー
- あらすじ: 太平洋戦争の戦犯裁判に立ち、信念を貫いて部下の命を守った日本軍将校の姿を描く。
- おすすめ理由: 昭和世代の記憶と重なり、歴史を振り返るきっかけにも。

3.「家族はつらいよ」
2016年公開。108分。
- 出演者: 橋爪功、吉行和子、西村雅彦
- あらすじ: 熟年になって離婚したいという妻。子供たちは慌てて家族会議を開く。夫婦をめぐるドタバタ家族劇。
- おすすめ理由: 笑って泣ける!シニア世代にも身近な家庭の悩みがテーマ。

4.「そして父になる」
2013年公開。120分。
- 出演者: 福山雅治、リリー・フランキー、尾野真千子
- あらすじ:6歳になる息子が、出生時に病院で取り違えられていたと知った2組の家族が向き合う選択。
- おすすめ理由: 親子の絆や命のつながりを深く考えさせられる。カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、審査員を受賞。

「コメディ・ほっこり系」
5.「釣りバカ日誌」シリーズ(全22作品)
1988年〜公開。93分~。
- 出演者: 西田敏行、三國連太郎
- あらすじ: サラリーマン“ハマちゃん”と社長“スーさん”の釣りバカ生活。毎回二人が訪れた土地で出会う美しいヒロインやゲスト陣たち、その土地ならではの釣り物や人々を巻き込んだ物語は見どころ。
- おすすめ理由: 昭和後期の雰囲気と、人情味ある笑いでほっとする物語。

6.「男はつらいよ」シリーズ(全50作品)
1969年〜公開。91分~。
- 出演者: 渥美清、倍賞千恵子、浅丘ルリ子ほか
- あらすじ: 寅さんが全国を旅しながら恋と人助けを繰り返す昭和の名作。
- おすすめ理由:外国人にも人気の映画。それぞれの地元の懐かしい町並みや人情の世界に癒やされる。

7.「しゃべれどもしゃべれども」
2007年公開。109分。
- 出演者: 国分太一、香里奈、八千草薫
- あらすじ: 落語を通じて人の心の壁を乗り越えていく若者の物語。
- おすすめ理由: 日本文化の良さと温かい人間関係が伝わる静かな良作。

「懐かしさを感じる映画」
8.「二十四の瞳」
1954年公開。154分。
- 出演者: 高峰秀子、天本英世、笠智衆
- あらすじ: 小豆島の小学校教師と生徒たちの心温まる交流と戦争の影。
- おすすめ理由: 戦前〜戦後を生きた世代にはたまらない涙作。

9.「青い山脈」
1949年公開。91分。/ 1963年公開。99分。
- 出演者:原節子、池部良、杉葉子( 1949年)/ 吉永小百合、浜田光夫、高橋英樹(1963年)
- あらすじ: 学園生活を舞台にした青春群像劇。テンポもよく、痛快で引き込まれる場面も。
- おすすめ理由: 明るく前向きな気持ちになれる。主題歌も人気。


10.「東京物語」
1953年公開。135分。
- 出演者: 原節子、笠智衆、東山千栄子
- あらすじ: 老夫婦が子どもたちを訪ねて上京するが、子供たちはみな忙しく、家族の距離に直面する物語。
- おすすめ理由: 家族の在り方を静かに問いかける白黒映画の名作。

「介護を考える映画」
11.「ぼけますから、よろしくお願いします。」※ドキュメンタリー
2018年公開。102分。
- 出演者: 語り:信友直子(監督)
- あらすじ: 認知症になった母と、それを介護する父の姿を娘が記録。
- おすすめ理由: 高齢者自身だけでなく、家族にも響くリアルな介護の記録。「老老介護」という問題提起をしながらも、悲壮感などはなく幸せな老夫婦の姿がとても印象深い。

12.「長いお別れ」
2019年公開。127分。
- 出演者: 蒼井優、竹内結子、山﨑努、松原智恵子
- あらすじ: 認知症の父と家族7年間の記録。実体験をもとにした小説が原作で、厳格だった父が日に日に記憶をなくしていく。そんな中、誰もが忘れていた記憶が父の中にはあった…。
- おすすめ理由: 認知症の現実と愛に向き合う、静かな感動作。生きていることが尊く感じられる。

「海外の映画」
13.「最高の人生の見つけ方」
2008年公開。97分。
- 出演者: ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン
- あらすじ: 余命宣告された2人の老人が「死ぬまでにやりたいこと」を実行する旅。
- おすすめ理由: 余命を知っても、目標を持ち、自分と向き合い、人生を楽しむ、と前向きな気持ちになる。この映画を原案に、日本版は吉永小百合と天海祐希が共演した同名作品も人気。

字幕版もあります。
14.「グリーンブック」
2019年公開。130分。
- 出演者: ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ
- あらすじ: 黒人ピアニストと白人運転手の友情を描く、実話がもとになった感動作。
- おすすめ理由: 人種・立場を乗り越えて築く友情と人間の美しさが伝わる。

字幕版もあります。
15.「ライフ・イズ・ビューティフル」
1999年公開。117分。
- 出演者: ロベルト・ベニーニ
- あらすじ: 強制収容所に送られたユダヤ人の親子。父親は幼い息子を守るため陽気に振る舞い、希望を持たせようとする愛の物語。
- おすすめ理由: 父の陽気な振る舞いはユーモアがありながらも深い愛情を感じられ、「命の輝き」に涙がとまらない。息子の表情も愛らしい。

まとめとおまけ
「戦争もの」や「死」をあつかったものは抵抗がある、
という人も少なくはないが
登場人物の気持ちやつながりを丁寧に描いた作品は名作です。
また、吉永小百合や高倉健が主演の映画はハズレが少なく、
むしろ見終わったあと余韻がいつまでも心に残る作品が多い。
「釣りバカ日誌」や「男はつらいよ」などは、
高齢者向けの映画としては定番であり、
訪れる土地やマドンナの話題で話も膨らみます。
個人的には、
「感動・ヒューマンドラマ系」でご紹介した作品と
「海外の映画」の「ライフイズビューティフル」は
何度も観たいと思う作品です。
また、「動物もの」も心を打たれる作品だと思っています。
「僕のワンダフル・ライフ」
2017年公開。100分。
大好きな飼い主と巡り合うため、何度も生まれ変わる犬の奮闘を描いている。

字幕版もあります。
「僕のワンダフル・ジャーニー」
2019年公開。109分。
「僕のワンダフル・ライフ」の続編。

字幕版もあります。
映画は心を動かす力があります。
高齢者にとって映画は、
「共感」
「回想」
を通じて、心が元気になれる貴重なツール。
家族と一緒に映画を観るだけで「対話」が生まれます。
ぜひこの記事を参考に、
施設でも家庭でも映画鑑賞を楽しみ、
お気に入りの1本を見つけてみてください。