高齢になると、耳が聞こえにくくなり、周囲との関わりが薄れていく傾向にあります。
それにより、高齢者もメンタルをやられていくのです。
見えにくい「心の不調」に気づけているか、と心配になっていませんか?
- 在宅介護
- 独居高齢者の増加
といった社会問題が、高齢者のメンタルヘルスの問題を深刻化させています。
今回は、
- 心の不調に気づくポイント
- 家族・介護者ができるサポート
などをご紹介していきます。
高齢者のメンタルヘルスとは
メンタルヘルスとは、心の健康状態のこと。
高齢者のメンタルヘルスは、身体の健康と同じくらい大切。

年をとったから

昔はもっと元気だったのに
といった言葉のうらに、
- 孤独
- 不安
- 喪失感
が隠れていることも少なくありません。
高齢者の心の現状
厚生労働省などのデータによると、
- 高齢者の約3人に1人が「孤独を感じる」と回答
- うつ症状がある高齢者は推定15〜20%
- 独居高齢者の自殺率は同年代の2倍近く
といった結果もあるようです。
「健康」とは、
- 身体的
- 精神的
- 社会的
すべてが満たされた状態。
すべてが完全に、という状態は高齢者でなくても難しいですね。
メンタルヘルス不調の要因
高齢者のメンタルヘルスが落ちてしまう原因
- 認知症
- 抑うつ状態
- 脳そのものが老化して起こるもの
- ストレスによるもの
抑うつ状態が長く続くとうつ病になり、健康的な生活も送れなくなります。
- うつ状態(気分の落ち込み、興味・意欲の低下)
- 不安障害(将来への不安、孤独感)
- 認知症に伴う情緒不安
- 喪失体験による悲嘆反応(配偶者・友人の死など)
- 身体機能の低下
高齢者の環境と課題
高齢になると、
- ライフイベント
- 身体機能の低下
などの変化が起こります。
大きなライフイベントの変化、身体機能の衰え、
これらは不安の要因にもなり、メンタルヘルス不調を招きます。
とはいえ、これらをさけて通ることは困難。
それぞれの問題から、課題を考えてみたいと思います。
社会的孤立と孤独
「社会的孤立」とは、家族も含めた他者との交流が希薄になり、人とのつながりがなくなっていくことです。
社会的孤立は、
- メンタルヘルス不調
- 孤独死
- ゴミ屋敷
- 引きこもり
など社会問題にもつながります。
高齢者は、
- 退職
- 配偶者との死別
- 家族の独立
などライフイベントの変化も大きく、それが要因となり社会的孤立になってしまいます。
外出の機会が少なくなることで、孤独感や不安が増し、うつの引き金になることもあります。
客観的な状態である「孤立」が、さみしい、かなしい、という「孤独感」を生じてしまうのです。
役割の喪失
ライフイベントの変化とも関わってきます。
- 子供の独立(結婚や独り立ち)
- 退職
- 死別
といった出来事により、
- 今まであった居場所・立ち位置
- 役わり
- いきがい
がなくなってしまいます。
- 「家族の支えになれない」
- 「社会の中での役割を失った」
と感じ、ネガティブ思考に。
自分を肯定できず、心身の不調につながることも。
病気や身体の衰え
身体機能の低下や持病があると、病気や将来に対しての不安は増加します。
- 慢性疾患
- 体の痛み
- 要介護状態
になると、「迷惑をかけている」と感じる人も多くなります。
視覚や聴覚といった感覚が衰えると、より周囲との交流をさけ、認知機能も低下していきます。
意欲も低下し、うつの症状が表れます。
表れる症状は老化現象と思われることも多く、気づくのが遅れる可能性もあります。
家族・介護者の理解不足
高齢者は、
- 感覚機能
- 認知機能
などが低下し、自分の気持ちをうまく伝えられなくなります。
- 同じ話を何度もする
- 不安な感情が多い
などの様子がみられても、「気持ちの問題」で片づけてしまうと、本人はさらに孤立します。
「うつ=甘え」と考える古い価値観も、回復を妨げてしまうこともあります。
心の不調に気づくサイン
高齢者のメンタル不調は、いくつかのサインを出しています。
次のようなサインが見られたら、注意して見守りましょう。
- 表情が乏しくなる
- 笑顔が減る
- 食欲がなくなる
- 体重が減る
- 寝つきが悪い
- 昼夜逆転
- 趣味や会話への関心が薄れる
- 自己否定的な言葉(生きていても仕方ない、迷惑をかけている、など)
- テレビを長時間ぼんやり見ている
- 怒りっぽくなる
- 涙もろくなる
- 過去を繰り返し話す
- 焦燥感
できるだけ寄りそって、ゆっくり話を聞いてあげられるといいですね。
日々の小さな変化を記録することで、早期発見につながります。
家族や介護者ができるサポート
同居していても、生活のリズムがちがうこともあります。
離れて暮らしていると、なおさら分からないかもしれません。
ほんの小さな支えが、高齢者のメンタルヘルス不調の改善に役立ちます。
「話を聴く」姿勢
同じことを何度も話しても、気持ちを否定せず、ゆっくり聞く。
ただ耳を傾ける。
「頑張って」と言うよりも、
- 「そう感じるんだね」
- 「つらかったね」
と共感を示すほうがgood。
役割を持たせる
退職後など、喪失感を抱えている、と感じたときなど。
- 家事の一部
- 植物の水やり
など、小さな役割をたのんでみましょう。
自己肯定感を育てます。
新たな趣味につながったり、いきがい・やりがいが生まれることにもつながります。
毎日のふれあい
身体的・感情的なつながりです。
- 朝夕の声かけ
- 体にふれる
- 一緒に何かをする(写真を見る、本を読む、など)
安心感を与え、これも自己肯定感を育てます。
専門家に相談
気分の落ち込みが強く、うつ状態や孤立が長く続くようなら、
- 地域包括支援センター
- 心療内科・精神科
へ相談することをおすすめします。
医師だけでなく、臨床心理士や精神保健福祉士がサポートしてくれます。
メンタルを守る生活習慣
毎日の生活を改善することは、メンタルヘルス不調を回復させることにもつながります。
- 食事:たんぱく質・ビタミンB群・オメガ3脂肪酸(魚)を意識
- 運動:毎日の散歩・軽いストレッチ
- 睡眠:睡眠の質を高め、体内時計を整える
- 趣味・レク活動:塗り絵、音楽、園芸、回想法など
- 感謝ノート:一日の中で「うれしかったこと」を書く
まとめ
高齢者のメンタルヘルスは、日々の小さな関わりで守ることができます。
- 話す
- 聴く
- 共感する
この3つがとても大切です。
意識するだけで、心は少しずつ回復していきます。
孤独を感じている高齢者に必要なのは、
誰かに見守られている安心感
家族・介護者・地域が一体となって、心の健康を支えていきましょう。
それにあわせて、
家族自身のメンタルケアも大切です。
介護する側もストレスを抱えやすいもの。
「疲れた」「もう限界」と感じたら、休むことも立派なケアです。
- デイサービスやショートステイを活用
- ケアマネ・地域包括支援センターに相談
- 完璧を求めない
メンタルヘルス不調になっているのでは?と感じたら、
ネガティブに考えるのではなく、
新しい発見・いきがいにつながる
と思考を変化させましょう。
サポートのポイントは、
- 優しく寄りそう
- 自己肯定感を高める
介護者自身もしっかり休息をとり、
「できる範囲」のケアで大丈夫です!



