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高齢者に必要な5つの栄養素 食事の工夫とバランス献立

高齢になるとどうしても栄養が偏りがち。

  • 食欲が落ちる
  • 噛む力や飲み込む力が弱くなる

などが原因となります。

毎日の食事でしっかり栄養を摂ることは

  • 体力
  • 免疫力
  • 生活の質(QOL)

を守る大切な要素。

この記事では、高齢者に必要な栄養素食事で摂る工夫献立例をご紹介。

在宅介護で食事に悩んでいる方や食事に楽しみが見いだせない方の参考になれば幸いです。

成人と高齢者の一日に必要なエネルギー量の目安を比較してみます。

一日に必要なエネルギー量の目安
成人男性(18〜64歳)約2,200〜2,600 kcal
成人女性(18〜64歳)約1,700〜2,000 kcal
(女性は基礎代謝が低めなので、カロリーの摂りすぎには注意)

では、高齢者はどうでしょう。

一日に必要なエネルギー量の目安
65〜74歳高齢男性約2,000 kcal
(活動量が少ない場合は1,800 kcal前後)
65〜74歳高齢女性約1,600 kcal
75歳以上男性約1,700 kcal
(活動が少なくなれば1,500〜1,600 kcal程度も可)
75歳以上女性約1,400〜1,500 kcal

高齢者は、加齢とともに「筋肉量・代謝」が下がる傾向にあるため、摂取カロリーはやや少なくなります。

日中の活動量や体重、筋肉量などに応じてカロリーの調整が必要。

主食となる炭水化物は減らしても、肉や魚、卵といったたんぱく質やビタミン・ミネラルなどは、むしろ意識して多めに摂ることが推奨されています。

食事から摂れる栄養素は代表的な「五大栄養素」に分類されます。

五大栄養素

  1. タンパク質
  2. 脂質
  3. 糖質(炭水化物)
  4. ビタミン
  5. ミネラル

五大栄養素もカテゴリーごとにさらに細かく分類すると、栄養素はなんと約40種類以上にもなります。

種類が多い栄養素の中から、高齢者の健康を維持するのに必要な栄養素を5つ選びました。

ひとつずつご紹介しながら、食事として工夫できる献立もお伝えしていきます。

たんぱく質(筋肉・免疫の維持)

「体をつくる」という役割があります。

具体的には、

  • 皮膚
  • 筋肉
  • 髪の毛
  • ホルモン
  • 酵素

などです。

たんぱく質を多く含む食品1日の摂取目安量

鶏肉

豆腐
納豆
ヨーグルト
など
体重1kgあたり1.0〜1.2g
(例:50kgなら50〜60g)

工夫ポイント

  • やわらかく煮る
  • 豆腐や卵で補う
  • 朝・昼・夕に分けてバランスよく

1回の食事で無理に摂る必要はなく、毎食少量でも献立に加えるといいでしょう。

カルシウム・ビタミンD(骨の健康維持)

「骨や歯をつくる」役割があります。

カルシウムだけでは不十分なので、ビタミンDと一緒に摂ることが大切です。

骨や歯だけではなく、

  • 血液
  • 筋肉
  • ホルモンの分泌
  • 神経の伝達

などにも働くため、体をつくるもとにもなるともいえます。

  • 骨粗しょう症予防
  • 転倒・骨折予防
カルシウム・ビタミンDを多く含む食品1日の摂取目安量
牛乳
チーズ
小魚
豆腐
小松菜
しらす
など
75歳以上
男性700mg、女性600mg

(成人男性:750〜800mg)
(成人女性 :650mg程度)

工夫ポイント

  • 毎食少しずつ補給(朝食に牛乳、昼食に豆腐、夕食に小魚、など)
  • ビタミンDが豊富なキノコ類と組み合わせる
  • インスタント食品と一緒に摂らない(インスタント食品に含まれるリンがカルシウムの吸収を阻害する)
  • 1日15分程度日光に当たる(ビタミンDが活性化)

食物繊維(便秘予防・腸内環境改善)

「整腸作用があり便通を整える」役割があります。

  • 便秘の予防
  • 血糖値上昇の抑制
  • コレステロールの吸収を抑える
  • 便秘の改善
  • 生活習慣病の予防
食物繊維を多く含む食品1日の摂取目安量
野菜
きのこ
海藻
さつまいも
納豆
オートミール
など
65歳以上
男性20g以上、女性17g以上

(18~64歳の成人男性で21g以上)
(18~64歳の成人女性で18g以上)

工夫ポイント

サラダだけでなく

  • 煮物
  • みそ汁、スープ
  • 温野菜

など、温かくして摂ると食べやすいですよ。

手軽に、レンジで1分チンするだけで贅沢な国産野菜がたっぷり入ったスープもご紹介します。

私も食べてみましたが、簡単なのに具だくさんでとってもおいしかったです!

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1日の不足分の食物繊維が摂れるコーヒーもあります。

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鉄・ビタミンB群(貧血・疲労予防)

「血を作りエネルギー代謝を助ける」役割があります。

鉄:

  • 細胞内でエネルギー産生
  • 免疫機能の維持
  • 脳の神経伝達物質の合成
  • 抗酸化作用

ビタミンB群:

  • エネルギー生成を助ける
  • 疲労回復
  • 皮膚や粘膜の健康維持
  • ホルモンバランス調整
  • 体の代謝活動をサポート
  • 脳や神経の機能維持
  • 疲労回復
  • 肌のハリや弾力を保つ
鉄・ビタミンB群を多く含む食品1日の摂取目安量
レバー
赤身肉
ほうれん草
ひじき
あさり
卵黄
など
「ミネラル成分の鉄分の働きと1日の摂取量」

「ビタミンB1の働きと1日の摂取量」

(参照:健康長寿ネット)

工夫ポイント

レバーや赤身肉が苦手な場合は、

  • あさりの味噌汁
  • ひじきの煮物

などで補う。

鉄には、

  • ヘム鉄(動物性食品に多く、吸収率が高い)
  • 非ヘム鉄(植物性食品に多く含まれ、ビタミンCと一緒に摂ると吸収が促進)

があるので、食事で工夫することをおすすめ。

ビタミンB群は、8種類が複合的に働きます。

体内に蓄積されにくいため、毎日いろいろな食材からバランスよく摂取することが望ましいでしょう。

脂質(エネルギー確保・体力低下予防)

「生命活動に不可欠」な役割があります。

  • 低栄養・体重減少の予防
  • エネルギー源・貯蔵
  • 脂溶性ビタミンの吸収促進
  • エネルギー源となり、余剰分は蓄える
  • 神経・細胞・ホルモンの材料
  • 体の機能調整(アレルギー予防)
脂質を多く含む食品1日の摂取目安量
オリーブオイル
魚の脂
バター
ごま
など
必要なエネルギー量(kcal)に対して、
20~30%

例:1日に約1,600 kcal必要な人なら
320~480kcal
脂質は1g約9kcalなので、
35.6~53.3g
※必要なエネルギー量は個人によって異なります

工夫ポイント

献立に揚げ物を増やす必要はありません。

  • 脂身の多い肉・魚を使用
  • バターを使ってムニエル
  • 肉より魚を多く取り入れる
  • オリーブ油を少量かける
  • 魚の脂(DHA・EPA)を意識して摂る

DHA・EPAなどはサプリメントで摂るのも効果的。

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たんぱく質を多く含む食品には脂質も多く含まれるため、脂質の過剰摂取になりそうなときは、

  • 肉の脂身を落とす
  • 鶏肉の皮は取り除く
  • 1日の間食を200kcalに抑える(脂質が多く含まれるお菓子を控える)

脂質を抑えながらたんぱく質はプロテインで摂取する、といった工夫もおすすめ。

命を支える「水分」

水分は重要ですが、

  • エネルギー産生をしない
  • 栄養素分類からは外されることが多い
  • 五大栄養素には含まれない

といったことから、必要な栄養素の分類に入らないことがあります。

けれど、水分は脱水誤嚥便秘認知機能に直結します。

水分は「栄養素ではないが、命を支える“基盤”」といえるでしょう。

また、高齢者はのどの渇きを感じにくくなるため、意識的な水分補給が必要です。

1日の水分摂取目安:1.2〜1.5リットル

これには、

  • 食材の水分
  • 食事中の汁物・お茶

も含まれます。

  • 毎食しっかり食事を摂る
  • 1~2時間おきにコップ1杯程度の水分補給

といったことに気を付ければ、負担なく水分摂取ができるでしょう。

工夫ポイント

  • 毎食できるだけ味噌汁・スープをつける
  • ゼリー・果物などの水分も活用

一例ではありますが、栄養ポイントもあわせてご紹介します。

食事メニュー例栄養ポイント
朝食 ごはん
味噌汁(豆腐とわかめ)
焼き鮭
バナナヨーグルト
たんぱく質
カルシウム
食物繊維
などバランス良く
昼食うどん(鶏肉・野菜入り)
小鉢(ひじき煮)
オレンジ
消化が良いもの
ビタミン・ミネラルも摂取
夕食ごはん
煮魚(さばの味噌煮)
小松菜のお浸し
味噌汁(なめこ)
牛乳
骨の健康
たんぱく質補給

インターネットで検索すれば、シニア向けの料理のレシピはたくさんでてきます。

サイトによっては、閲覧可能なレシピに

  • 会員登録
  • 月額の料金

が必要な場合もあります。

管理栄養士監修のお弁当を活用してバランスの良い食事を摂る、という選択肢もあります。

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こちらの記事も参考に。

高齢者は、加齢や疾病によって食事がしにくくなります。

栄養は可能な限り食事から摂りたいもの。

かむ力や飲み込む力が弱くなってきた高齢者には、食べやすくする工夫が必要になります。

かむ力が弱いやわらか食
・煮る
・蒸す
・とろみ
食欲がない彩り、香りを意識
明るい色の食材を使用
(人参・トマト・卵など)
むせやすいとろみ食
プリンやゼリー

高齢者ひとりでは十分に栄養が摂れなくても、家族が一緒だとサポートしてくれたり気付いたりしてくれることがあります。

身体機能が衰える高齢者にとって、家族の支えはとても大きいのです。

食べた量より“食べる意欲”

 同じ食卓で会話をしながら食べると、自然と食事量も増えます。

  • 体重
  • 排便
  • 口腔内の状態

これらを定期チェックすることで、体調の変化に早めに気づけます。

「完食」しなくても心配しない

 少量でも栄養価の高い食材や食品を、献立に上手に取り入れましょう。

この記事では、多くの栄養素の中から特に高齢者に必要だと思われる栄養素を5つご紹介しました。

一般的に、栄養素とは

  • 体内で化学的に代謝・利用される
  • 不足すると欠乏症や機能障害が起きる
  • 食品中に含まれ、摂取量の基準がある

という条件を満たすものだと言われています。

高齢になるとどうしても食事量が減り、なおかつ身体機能も低下していく傾向にあります。

少量でも、効果的に体力や免疫力を維持する工夫が必要です。

  • たんぱく質
  • カルシウム
  • ビタミン
  • 食物繊維
  • 脂質

などの摂取が、高齢者には特に重要。

しかし、高齢者は特に

脂質などの油は、あまり体に良くないんじゃない?

という誤解をしています。

  • 食事量が減る
  • 一度にたくさん食べられない

このような高齢者には、

少量で効率よくエネルギーをとれる脂質は不可欠なのです。

また、脂質は

  • 体重減少
  • 筋力低下
  • フレイル・要介護化

予防する栄養素として、献立にも工夫されています。

同じように、栄養素ではありませんが「水分」も命を支える重要な項目。

毎日の食事を、栄養素という観点からもとらえ、効率よく摂取したいものです。

食事で摂りやすく工夫するコツは、

  • やわらかく
  • 彩りよく
  • 少量多品目

高齢者の食べる意欲と健康を支えるには、家族のサポートも重要です。

  • 一緒に
  • 楽しく

会話をしながら食事を楽しみましょう。

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